海外生活が長く10 年のブランクがある上に子どもが小さく諦めかけていた復職でしたが、大塚教授をはじめ諸先生方のご理解とご支援があり実現する事ができました。

外科から専門を変更した事もあり最初は戸惑うことばかりでしたが、教育熱心な先生方が多く丁寧なアドバイスをいただけ、意欲旺盛な研修医の先生方とも切磋琢磨しつつ、一から勉強できる環境で大変助かりました。また、勤務調整をしていただき家族との時間も大切にできています。

医師として、女性に限らず誰しもが生き方・働き方を変えなければならない転機を迎える可能性があるのではないでしょうか。いろいろな状況があるかと思いますが、最終的に医療に携わっていきたいという強い気持ちを持っている人に対して総合内科・総合診療科は手を差し伸べてくれる科であり、多様な人生経験を診療において活かしていける科でもあると思います。

私は精神科の専門医として18 年間精神科医療に従事して参りましたが、自分の専門領域だけでは治療に難渋する症例を経験することも多く、キャリア支援センターを通して総合内科での研修をお願いしました。

最初は全てが分からないことばかりで、自信を失くしましたが、大塚教授、片岡教授から、自分のペースで勉強すればいいとのご指導を賜り、楽しく学習ができています。もちろん、子どもの学校行事や休校にも手厚く配慮して下さいました。

幅広い専門領域の先生方と熱心な研修医の先生方に囲まれて、内科全般を学びたかった私には総合内科はピッタリでした。このような研修の機会を与えて下さった先生方に大変感謝しております。

総合内科は、ロールモデルとなる女性の先生がたくさんいらっしゃいますし、男性の先生も紳士で子育てに理解のある先生方ばかりで、大変働きやすい職場だと感じています。子育てしながら働くにあたって日々助けて頂いたり、アドバイスをもらったりできることに感謝しています。

私は子供が大好きですが、子供が大きくなってからもよい関係性を続けていきたいと思っており、それは小学生までの対応が基礎になると感じています。子供は一人の人間であり、自分の世界を作りながら成長していきます。親は子供に対してのサポーターのような存在で、見守り、寄り添い、必要に応じて助けます。親が熱心なサポーターであると子供が安心して（自然に）成長しますが、そこは見返りを求めるものではありません。無償であるために精神的・時間的・空間的な余裕が必要になりますし、妻のサポートもそのまま子供のサポートにつながるので大切です。時間外には出来るだけ帰宅し、私が保育園の送り迎えができるようにしてもらっています。通勤を子供と一緒にできるのは大変な面もありますが（夏場に通勤中ずっとだっこをすると汗だくになりますが、だっこできるのも今だけ）、非常に楽しいもので子供との距離も近くなります。こうしたことを理解したのうえでそれを実現できる職場環境を提供してしてくれている総合内科と先生方に感謝しています。

医師の生活は、古い文化の中で構築された封建社会だと言われることもあります。しかし、古き良き文化も大事にしつつ、新しい風を取り入れることで、より柔軟な働き方ができ、多様な文化・他者への寛容さも醸成され、充実した仕事を行えると思っています。僕は、子育てに関わることで、子どもが大事にしていること、子どもの視点からみた世界観に少しでも触れることができました。これほどまでに自分の中に受け入れないといけない他者というものを感じたことはありませんでした。子育てでは明らかに新しい風であって、なんといっても子育てをしながらの働き方を受け入れてくれた総合内科・総合診療科の寛容さは素晴らしいと感じています。